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コレクションとして保有していたグリュエン　プレシジョンを出品いたします。グリュエンというブランドは今でこそあまり聞きなれないですが、１８７４年にドイツ出身のDietrich Gruenがアメリカで時計に関する特許を取得したことから生まれたアメリカの時計ブランドと言えます。ただし時計自体はアメリカ製ではなく、スイスのビエンヌ工場で製造されてアメリカに逆輸入されていました。第二次世界大戦終戦までアメリカでウォルサムと並んで最も栄えたブランドでしたが、終戦後スイスブランドに市場シェアを奪われ１９５３年に会社を売り払いました。ちなみに１９３０年代にはGruen 819というムーブメントをRolex 600としてロレックスに提供していました。　本時計は画像最後の通りニューヨークの歴史ある質屋が出品しているものと同じモデルで１９４０年代の物となっております。特筆すべき点はやはり全体的にアールデコ調なデザインに加えて、牛の角のようなラグ（Horn Lug）だと個人的には思います。ラグの形状はヴァシュロンコンスタンタンのCornes de Vache 1955に似ていて、とてもエレガントな雰囲気を醸し出しています。ケースの素材は通常の金メッキとは異なり、さらに厚い10K Rolled Gold（イギリス流の金張り）加工が施されています。　また、一般的にダイバー時計のようなスクリューバック（裏蓋の閉じ方）はケースに厚みと技術的な観点からドレスウォッチにはあまり採用されていませんが、本時計はスクリューバックとなっています。　時計の状態につきましては、８０年ほど前の時計にしてはかなり良いコンディションだと言えます。文字盤もいい感じに枯れております。ただし、文字盤１０時付近に小さい黒い点がついていたり、ケースにスレ等もあります。精度は保証するものではないですが、２０回巻いた状態で平置き２４時間後の日差は-4秒でした。＜サイズ＞直径　33-34mm厚さ　9mm手巻き